7月に入ってしばらくで、突然梅雨が明けた。先週の中頃のことだったと思う。
雨と読書は古来の昔より相性が良い。読書が進む時期であるはずだったのに、急ぎ足で行ってしまった。先々週、図書館で借りた本はクーラーの下にまた積まれてしまってーーえ、先週なにしてたって? ニンテンドーswitch版の『空の軌跡 the 1st』(リメイク)をがっつりと……(「いっせいトライアル」で配布してた)
6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1046
ナイス数:14
友だち以上恋人未満の人工知能 言語学者のAI倫理ノートの感想
図書館本。AIを積極的に利用して小説仕立てで書き上げた点はいいとして、正直、著者がAIを否定しつつハマり、抜け出す話だけが面白かった。そこをもっと広げて書けばかったのに。 また構成に難があると思う。章ごとにAIとの壁
パート→フィクションパート→解説→コラムというパターンが約10回続く。若年層向けにしても冗長に感じる。 前置きは要るとしても、まずフィクションパートだけを書き、脚注としてページ下あたりに用語解説を入れ、物語が終わった後に全体の解説とコラムをとりまぜて論証すれば良かったのではないだろうか。
読了日:06月30日 著者:川原 繁人
哲学者の父が子に伝える 自由に生きる知恵 15歳のエチカの感想
図書館本。AIに要約させたら一行で回答されてしまうだろうことを、父親らしく回りくどく時間をかけて順に説いていく話。「わたしと他者との間に横たわる「自由」、それに応える力(レスポンシビリティ)が「エチカ」なのだと理解した。いつも他人や社会とわたしの間にある「否応なさ」にときにウンザリするけど、それもまあ仕方ないと踏ん張る気力を本書は与えてくれる。「どんな悪人であっても「人間である」という点ではわたしと同じであり、そのこと自体が、わたしが人間であることを支えてくれているのだ」(p175)
読了日:06月26日 著者:フェルナンド・サバテール
日本文学の翻訳者たちの感想
図書館本。『ことばの白地図を歩く』から続いて翻訳にまつわる本となった。〇〇文学、〇〇文化、〇〇語ーーこの〇〇には大抵国名が入るのだけど、それでも文学/文化には共通する何かがあり、それがあるからこそ「翻訳」も可能なのだ。国の違いが人々の分断に働くこともあるけれど、文学には広大な地平があるーーなんかそんなことを読後に考えた。しかし言語も国もリージョンも多彩な人たちのインタビュー集なのに、村上春樹や大江健三郎、川端康成と有名どころやノーベル賞作家が出てくるなかに、村田沙耶香の名前があがってくる。すごいなと思う。
読了日:06月20日 著者:
贈り物の本の感想
図書館本。錚々たる面々。自分と同じ世代か、違う世代でも知っている作家さんばかりでビビる。牟田都子わかってんじゃん、とか勝手に思う。そんななかでも知らない方はいる。そういう方の文章を読むのがむしろ面白かった。この書き手が並ぶなかでハズレはまずない。藤岡みなみ「ポカリ遺跡」→吉田萬壱「ホンダCD-125T」の並びが記憶に残った。『ボラード病』の名前は知っていたが作者がこの方とは知らなかった。 短いエッセイをリズムよく読んでいると大層なことを思いつくーー人間の歴史は贈り物の歴史だ。命がまさにそうであるようにーー
読了日:06月20日 著者:牟田都子
ことばの白地図を歩く: 翻訳と魔法のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)の感想
図書館本。外国語に興味があって、そちらの道に進みたい人に向けて書かれたような印象。外国語を勉強する心構えや翻訳家の心得を、自身の経験を交えて軽妙な文体で描いている。というかこのエッセイパートが面白い。『夕暮れに夜明けの歌を』を読みたくなった。しかし本書には別の側面もあって、ウクライナ戦争後の失われたことばへの信頼を取り戻そうと書かれた、ともいえる気がする。「『異』文化」から「文化」に付随する怪しいイメージたちへの指摘を忘れない。「ことば」を考えるという点では同シリーズ『言葉なんていらない?』と似ているかも
読了日:06月14日 著者:奈倉 有里
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