コーヒーと本があれば基本的に幸せ(出来ればiPhoneも)

より個人的なことを書くために、ボドゲブログから独立させたブログ。カフェと読書記録とアプリとその他つれづれなることを……

2026年6月に読んだ本(By 読書メーター)

7月に入ってしばらくで、突然梅雨が明けた。先週の中頃のことだったと思う。
雨と読書は古来の昔より相性が良い。読書が進む時期であるはずだったのに、急ぎ足で行ってしまった。先々週、図書館で借りた本はクーラーの下にまた積まれてしまってーーえ、先週なにしてたって? ニンテンドーswitch版の『空の軌跡 the 1st』(リメイク)をがっつりと……(「いっせいトライアル」で配布してた)

6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1046
ナイス数:14

友だち以上恋人未満の人工知能 言語学者のAI倫理ノート友だち以上恋人未満の人工知能 言語学者のAI倫理ノート感想
図書館本。AIを積極的に利用して小説仕立てで書き上げた点はいいとして、正直、著者がAIを否定しつつハマり、抜け出す話だけが面白かった。そこをもっと広げて書けばかったのに。 また構成に難があると思う。章ごとにAIとの壁

パート→フィクションパート→解説→コラムというパターンが約10回続く。若年層向けにしても冗長に感じる。 前置きは要るとしても、まずフィクションパートだけを書き、脚注としてページ下あたりに用語解説を入れ、物語が終わった後に全体の解説とコラムをとりまぜて論証すれば良かったのではないだろうか。
読了日:06月30日 著者:川原 繁人
哲学者の父が子に伝える 自由に生きる知恵 15歳のエチカ哲学者の父が子に伝える 自由に生きる知恵 15歳のエチカ感想
図書館本。AIに要約させたら一行で回答されてしまうだろうことを、父親らしく回りくどく時間をかけて順に説いていく話。「わたしと他者との間に横たわる「自由」、それに応える力(レスポンシビリティ)が「エチカ」なのだと理解した。いつも他人や社会とわたしの間にある「否応なさ」にときにウンザリするけど、それもまあ仕方ないと踏ん張る気力を本書は与えてくれる。「どんな悪人であっても「人間である」という点ではわたしと同じであり、そのこと自体が、わたしが人間であることを支えてくれているのだ」(p175)
読了日:06月26日 著者:フェルナンド・サバテール
日本文学の翻訳者たち日本文学の翻訳者たち感想
図書館本。『ことばの白地図を歩く』から続いて翻訳にまつわる本となった。〇〇文学、〇〇文化、〇〇語ーーこの〇〇には大抵国名が入るのだけど、それでも文学/文化には共通する何かがあり、それがあるからこそ「翻訳」も可能なのだ。国の違いが人々の分断に働くこともあるけれど、文学には広大な地平があるーーなんかそんなことを読後に考えた。しかし言語も国もリージョンも多彩な人たちのインタビュー集なのに、村上春樹や大江健三郎、川端康成と有名どころやノーベル賞作家が出てくるなかに、村田沙耶香の名前があがってくる。すごいなと思う。
読了日:06月20日 著者: 
贈り物の本贈り物の本感想
図書館本。錚々たる面々。自分と同じ世代か、違う世代でも知っている作家さんばかりでビビる。牟田都子わかってんじゃん、とか勝手に思う。そんななかでも知らない方はいる。そういう方の文章を読むのがむしろ面白かった。この書き手が並ぶなかでハズレはまずない。藤岡みなみ「ポカリ遺跡」→吉田萬壱「ホンダCD-125T」の並びが記憶に残った。『ボラード病』の名前は知っていたが作者がこの方とは知らなかった。 短いエッセイをリズムよく読んでいると大層なことを思いつくーー人間の歴史は贈り物の歴史だ。命がまさにそうであるようにーー
読了日:06月20日 著者:牟田都子
ことばの白地図を歩く: 翻訳と魔法のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)ことばの白地図を歩く: 翻訳と魔法のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)感想
図書館本。外国語に興味があって、そちらの道に進みたい人に向けて書かれたような印象。外国語を勉強する心構えや翻訳家の心得を、自身の経験を交えて軽妙な文体で描いている。というかこのエッセイパートが面白い。『夕暮れに夜明けの歌を』を読みたくなった。しかし本書には別の側面もあって、ウクライナ戦争後の失われたことばへの信頼を取り戻そうと書かれた、ともいえる気がする。「『異』文化」から「文化」に付随する怪しいイメージたちへの指摘を忘れない。「ことば」を考えるという点では同シリーズ『言葉なんていらない?』と似ているかも
読了日:06月14日 著者:奈倉 有里

読書メーター

 

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2026年5月に読んだ本(By 読書メーター)

5月は結構本が読めている。このペースを維持できればいいのだけど……
『言葉なんていらない? ~』の「言葉」はその相貌を指し示すもの、という考え方がよく使える。ここから最近、「勉強」というものは見方や見立てである、という発見ができた。そういう意味でも、多様性というか、多様な人の見方を得ること「そのもの」が勉強の成果であり、必要なことなのだ。

5月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1542
ナイス数:16

言葉なんていらない?: 私と世界のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)言葉なんていらない?: 私と世界のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)感想
図書館本。ふと見えたコーナーにあって、『あいだで考える』シリーズをまだ読んだことなかったので、借りてみた。若い世代向けなのか、テーマにそって順を追って語り、また時に立ち止まって再確認してくれるので分かりやすかった。言葉は相手に(自分に)発話の行為対象の「相貌」への注意・関心を伝える(考える)資源である、という考えはとても使えると思った。ややもすると、言葉のままならなさや不完全さを感じがちだが、言葉は物事や世界の見方に方向性を与えて、その奥行きを楽しむものなのだ。ハイコンテクストで汎用性の高い言葉に要注意。
読了日:05月31日 著者:古田徹也
家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択感想
図書館本。物の可能性を手放して、自分の可能性を見つけようという提案の本。便利な物を全て手放せば、身の丈にあったシンプルな生活をせざるを得ず、それが「自分のことは自分でする/できる」という感覚を取り戻してくれる。自分の手が服を、床を、食器をきれいにするたびに、万能感をあたえてくれる。少しの物で満足できるようになる。家事が「簡単で自分の手に負える楽しいもの」になれば、お金の心配も老後の不安も小さくなり、なんなら災害の備えにもなる。私は家族がいるので「家事を分担しない」→「自分のことは自分でする」から実践しよう
読了日:05月28日 著者:稲垣えみ子
天才たちのインテリジェンス (ポプラ新書 256)天才たちのインテリジェンス (ポプラ新書 256)感想
対談集、ということだが1回1回が物凄く短い。対談で何かを引き出すということではなく、対談相手が出版した本を紹介するもの、と捉えたほうが良いだろう。ブックガイドだというなら納得がいく。大澤真幸氏の「世界史の哲学シリーズ」を知らなかった。12人中9人の方の本を持っているので、目新しいことが知れなかったということかもしれない。最大の失敗は、まえがきを最初に読まなかったことだろう。「私がトランプ氏が大統領に当選したほうが、世界が安定すると考えている(2024.1.29)」ここを事前に読んでいたら買わなかったかな。
読了日:05月21日 著者:佐藤 優
未来をつくる言葉 (新潮文庫)未来をつくる言葉 (新潮文庫)感想
「エッセイ」というもの違う気がするが、「コミュニケーション論」というほど固くない。言葉とその周辺の奥深さを味わう本、というべきか。言語は単純な単語=意味の連なりではない。発するものと受け取り手のある種の共謀関係をもとに成立している。身体的「バグ」とマルチリンガルの「当事者」として出発し、1960年代のサイバネティクスを通って言語哲学から「サピア=ウォーフ仮設」、最後は「ぬか床」へと向かう論はスリリングだった。コンピューター黎明期から「ガイア論」への展開は『Lain』9話の展開に似ていて、勝手に熱くなった。
読了日:05月19日 著者:ドミニク・チェン
あなたの会社、その働き方は幸せですか? (単行本)あなたの会社、その働き方は幸せですか? (単行本)感想
令和3年1月に出版の本書。コロナ禍、社会は激変を余儀なくされたけど、何か良い方向にも変わるかもしれない。そんな希望があった頃……残念ながら問題とされていたことはそのまま残り続け、古さを感じないのか哀しい。出口APU学長は歴史上の王朝に例えたり、世界各国の政策を引き合いに出したり、話に縦横無尽の幅があって面白い。勉強を続け、自分で課題を見つけ、自分の言葉で考え、自分の言葉で意見する。当たり前のことの重要性を再認識した。ただ「生産性向上」に頼りすぎている気がする。そりゃ時間をつくれなきゃ勉強もできないけど……
読了日:05月13日 著者:出口 治明,上野 千鶴子
これがそうなのかこれがそうなのか感想
図書館本。「ことばが置かれた」「問いはかくされている」ほんとうに立ち現れるかのように書かれた言葉が印象的な論考のようなエッセイのような。「ベトベトでございます」の章の”不条理”に関する考察が頭に残る。「せっかく生きているのに死ぬとか」そもそもこの世界にこちらの意思に関係なく産まれてきたのだって不条理だ。「問い」は、実は当たり前に存在する「不条理」を覆い隠している世界を、揺さぶるためのことばなのかもしれない。他人も世界も、もちろん自分さえも、本来得体の知れない者なのだ。それにどう応えるか――これがそうなのか
読了日:05月08日 著者:永井 玲衣

読書メーター

2026年4月に読んだ本(By 読書メーター)

2026年3月が飛んでおった。まぁ確定申告のせいで、たいして読めてなかったと思う。
『学校では教えてくれないシェイクスピア』だけだったようだ。そりゃ、ポストしないか、、。

4月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1282
ナイス数:9

それがやさしさじゃ困るそれがやさしさじゃ困る感想
図書館本。上段にエッセイ、下段に日記というスタイル。正直読みにくいが、日々の思いや気づき(日記)からエッセイが生まれたのがよく分かる。やさしさや配慮が、単なるコントロールになっていないかという「問い」から始まる本書では、とにかくまずは狭い「見立て」から脱却しようという話が多かったと思う。しかし「基礎があってこそ」という著者の「見立て」も疑問に付されていいと思う。基礎→応用というのは武道的発想で、「基礎は得てしてつまらないもの」というのもその道からだと私は考える。皆ちがう身体を有しているのに。
読了日:04月26日 著者:鳥羽和久
「やめられない」を「やめる」本: 脱・依存脳「やめられない」を「やめる」本: 脱・依存脳感想
図書館本。本書の第2章の2「人は幸福貯金がなくなると快楽で借金をする」という考え方が刺さった。幸福でいるには「積極的に感じようとする心の在り方が必要」で身の回りにあるありふれたコトで幸せを感じられる心のありようが大事なんだと意識するようになった。「依存」が「悪い」のは「渇望」や「欠乏感」を起こさせることで、以前読んだ『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』に通じるものがある。本書で「レジリエンスを高めるもの」として紹介されている種々の手段は、「欠乏感」をトンネリングするメソッドとして理解した。
読了日:04月22日 著者:山下 あきこ
忙しい人のための美術館の歩き方 (ちくま新書 1865)忙しい人のための美術館の歩き方 (ちくま新書 1865)感想
図書館本。余暇は増加傾向にあるのに美術館の来客は減っているのかについて『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』から攻めるかと思ったが、違った。でも結論としては同じ「すぐ役立つものではないから」。著者によれば、そんな一種の焦りの感覚から自由になる方法が、美術館に赴くことだという。私たちを癒すものと心地よい刺激を与えるという一見相反する効果の両方が期待できる場所だということ。言い換えれば、作品を通して自分にじっくりと向き合える場所。またその感動をメモを取ってしっかり言語化することで、体験を経験にまで昇華できる
読了日:04月20日 著者:ちいさな美術館の学芸員
自治体は何のためにあるのか──〈地域活性化〉を問い直す (岩波新書 新赤版 2092)自治体は何のためにあるのか──〈地域活性化〉を問い直す (岩波新書 新赤版 2092)感想
図書館本。「今日の生活を明日も続けられるようにする」ことが自治体の本質的な存在意義であると定義し、では現在はどうしてそうなっていないのかをここ過去50年からとりわけ20年の自治体周辺の動きを参照しつつ解説した本。導入で『過疎ビジネス』の事例を出しながら、「自治体」に「稼ぐ」ことが期待されるという異質な方向に向かっていく構造を指摘。国が地方自治体を動員せざるを得ない状況を是正し「ディフェンダーとしての自治体」を提言する。本論ではないかもだが「自助・共助・公助」という考え方をバッサリ切っていたのが爽快だった。
読了日:04月15日 著者:今井 照
女ぎらい (朝日文庫)女ぎらい (朝日文庫)感想
NHKの「100分de名著」の特番「フェミニズム」で著者がセジウィックの『男同士の絆』を紹介していたのだが、それは手にいれるのが難しいので、こちらを買ってみた。オトコが読むと、スリップダメージを相当喰らいますが、ときに的確に殴られます。「セクシュアリティの近代」が面白かった。昔読んだフーコーよりずっと分かりやすい。取り上げられている事例は古いのはご愛嬌として、文豪もバサバサ斬らてて痛快。「あとがき」から読むと、読むべき本か判断しやすいと思う。
読了日:04月03日 著者:上野千鶴子

読書メーター

 

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ポップアート展で刺さった作品を、語ってみる(その3・ラスト)

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ヒバリのさんざめく季節から、すっかりツバメが飛び交う頃になってしまいましたが、なんとか書き終えてみたいと思います(汗

ロバート・ラウシェンバーグ『ONE LIONER』(2000年 リトグラフ)

www.ebay.com

リンクが「eBay」でアレですが、ちょうどいい埋め込みがなかったもので。
まさに「現代アート」って感じで、写真→絵画→記号→イメージを一つの画角の中に乱暴におさめてしまう手法。たいていはあまり好きではないのですが、落書きみたいな感じと色合いが気に入りました(笑

しかし8000ドルか……

ロバート・ラウシェンバーグ『ROCI USA』(1990年 スクリーンプリント)

mainichi.jp

北九州立美術館に行ったわけではないのですが「毎日新聞」に掲載の写真がちょうど『ROCI USA』だったので使いました。なにか記憶に残った「白い自転車」。キャンパスから遊離するように切り抜かれた自転車。
検索すると、どうも東京に、彼が乗っていた自転車にネオン管をつけてアート作品として展示されているんですってね。知らんかった……。

criticalcycling.com

(ポストの期間が)ながーくなったので、これで最終回とします。
インスタの埋め込みツールがなくなっとるので、ミュージアムストアの戦利品も出せぬ『1セント・ライフ』とかまだメモがありますが、画像を見つけるのが大変だと思うので。それではまた。

「ポップ・アート 時代を変えた4人」リスト(PDF, 富山県美術館)
https://tad-toyama.jp/wp-content/uploads/2025/06/2025904_popart_list.pdf

ポップアート展で刺さった作品を、語ってみる(その2)

いや、思った通り、前回から時間が経ってしまいましたが、メモからちゃんとその時の感動を引き出せるかどうか……

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ここからが今回のエントリ↓

ロイ・リキテンスタイン『種をまく人』(1990年 オフセット・リトグラフ)

bijutsutecho.com

フィンセント・ファン・ゴッホの『種をまく人』を翻案(インスパイア?)されたのは間違いない本作。ただ色彩としては太陽のみがその風合いを残している。人も木も、逆光によるシルエットではなく、無機質ながら力強く流れる線へと姿を変えている。ミレーの『種をまく人』から持っていたストーリー性と厳粛さは後景に退き、存在そのものが屹立しているようだ。かつては光輪をイメージさせた太陽でさえ、なんだか太陽というよりも闇夜に浮かぶ月のようにみえる。そういう「逆転」がなんだか面白く、ずっと見ていた。

www.nishinippon.co.jp

 

アンディ・ウォーホル『キミコ・パワーズ』(1981年 オフセット・リトグラフ)

curio-jpn.com

どうも私はウォーホルの作品は合わない気がするのですが、これだけは目が止まってしまった。和装の麗人なのに、背景のパステルカラー強烈で「和」の雰囲気は消され、肌色も浮き出てしまっている。しかしそれにもかかわらず強烈な存在感を残した瞳。見開かれたその目は何をにらんでいるのか……

 

ロバート・ラウシェンバーグ『光線』(1973年 スクリーンプリント)

……ない。探しても該当作がネットに出てこない。

メモを見ると「人の顔に見える。片目と鼻と口。中央を横切るボックスと何故かコウモリ。写真を落書きしたみたい。輻輳(?)するモチーフ」とか書いてある。言葉じゃわかんねー。

ところで、ロバート・ラウシェンバーグといえば、千葉雅也さんの著書『センスの哲学』の表紙の抽象画が有名、みたいですね。検索していて思い出した(『センスの哲学』は読了しているのに全然おぼえてなかった……)。

次もロバート・ラウシェンバーグの予定ですが、また次回に。

 

ポップアート展で刺さった作品を、語ってみる(その1)

企画展を観に、鳥取県立美術館へ、去年ぶり2回目の訪問。
いや、だからどうしたって話なんですが……向かう道すがらの鈍行列車の車内で『忙しい人のための美術館の歩き方』を読みまして。
「とにかく気になった作品のメモを取って、思い切って発信してみよう」みたいなことを読んでしまいましてですねーー

じゃあ久しぶりにブログでも書いてみっかいっちょやってみっか、とか慣れないことを始めようと思ってしまったわけです。

でもあれです、作品をざっと見ながら、時に急にメモを取りながら悩みながら鉛筆で書いてたりすると、

監視員にめっちゃマークされます。

そりゃほとんどの人は順路通りに動いてゆっくり観ますからね。大変気まずい。これも慣れが必要なのか……

で、今回観に行った「企画展」はこちら↓

tottori-moa.jp

展示品のなかで最初に目に飛び込んできたのは、パステルカラーのマドンナ(アンディ・ウォーホル)でも、アメコミ風の少女(ロイ・リキテンスタイン)でもなく、よく知らなかったジェスパー・ジョーンズでした。

ジェスパー・ジョーンズ「コートハンガー」

www.jasper-johns.org

↑のサイトで掲載されている画像より、ずっとハンガーは見えづらかったです。
黒のクレヨンか何かでキャンパスに塗りたぐったような病んだ画面に、ぼんやりと、しかし目をこらすとしっかり浮かぶ「ハンガー」の影。
普通の、金属の、よくあるタイプの洗濯ハンガーに見えます。
よくある、見慣れたはずのその形が、降りしきる黒い雨のなかにたたずむ生活感のようで、暗く、異質な感じを受けました。
「ポップアート」の「ポップ」という言葉に全く似つかわしくない、ひとことでいうと「さみしくて孤独」という印象が、静寂の中にふわりと浮かび上がるような作品でした。

ロバート・ラウシェンバーグ 『ユダヤ博物館』『100周年証書MMA』

ミュージアムショップでも絵葉書として売っていた作品。

『ユダヤ博物館』は暗く、これまたモノトーンになっている。作品のなかにあるアルファベットは新聞の切り抜きのよう。それが「事件性」を醸し出す。作品下部に描かれたキャプションは写真か新聞記事かにメモ書きをしたかのよう。歴史的な史料のような意味を感じる。

galleriska.exblog.jp

暗い作品ばかり取り上げてしまいましたが、少し明るめのものを。
ポップアートらしく?コラージュ的な作品。
ノートにチェキ写真を貼って、その真ん中に思い浮かんだ詩を書いた、みたいな感じ。解説を写すのを忘れたけどタイトルの「100周年証書MMA」ってなんだろう?
青い写真と背景のオレンジ・黄色が鮮やかで、ここは現代的な感じがしますね。

www.metmuseum.org

かなりの分量になりそうなので、いったんここで。

まだまだ続きます。たぶん。

2026年2月に読んだ本(By 読書メーター)

無事、確定申告を終えた。のびのびとした気分でゲームを再開する。そして「DVDを見る」以外の目的でひさびさに起動したPS4が、動かない。まじか。いや正確にいうと、Blu-ray DISCを読まない。読めない。もうDVDの読み込みかダウンロードソフトしか使えない。かなしい。。。

 

2月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:708
ナイス数:19

本を読めなくなった人たち-コスパとテキストメディアをめぐる現在形 (中公新書ラクレ 861)本を読めなくなった人たち-コスパとテキストメディアをめぐる現在形 (中公新書ラクレ 861)感想
タイトルから見た印象で、本が読めない若者を暗に非難するように感じるが、本文にそんな意見表明はない。端的に言うと、現代における「紙の本」とは何なのかに行き着いた。「読書」の現状については『「若者の読書離れ」というウソ〜』や『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』でも論じられているが、この本ではマクロ的考察よりも、インタビューや現地の声、著者本人の実感のほうを重視する傾向にある印象だ。 これを、職場からの帰り道にある商業施設テナントに入っている本屋で買った私は(本書によると)恵まれた人となる。大事にせねば……
読了日:02月14日 著者:稲田 豊史
傷つきながら泳いでく傷つきながら泳いでく感想
町田康の『俺の文章修行』で「自分のなかにある知らぬ間に教え込まれた「善悪フォルダ」を(書き手であるからには)見つめる必要がある」みたいなことが書いてあった(と思う)。世の中のアレコレに断定的(断罪的)に論じる言説は数あるが、この『傷つきながら~』の著者は、自分の「善悪フォルダ」(自分にとっての正義、憤る物事、すべきだと思っている事)を開陳しつつ、それを批判的に語っている。民主主義と資本主義のマクロな矛盾を肌で(ミクロで)受けながら、極めて個人(史)的にブーブー言う感じが面白い。ブロガー世代?の語彙を感じる
読了日:02月13日 著者:月岡 ツキ
理系の読み方: ガチガチの理系出身作家が小説のことを本気で考えてみた理系の読み方: ガチガチの理系出身作家が小説のことを本気で考えてみた感想
図書館本。直前に『言語化するための小説思考』を読んだのでどうしても比べてしまう。どちらも「小説とはなにか」「小説が書けるとはどういうことか」「文芸(文学)とは〜」について語っている。そして何より読者の介在無くして成り立たない点を強調している。大きな違いは本書では小説の「伝える」を手放し、意味を越えたところを提示するものだとする。「文体」は読者との共謀関係を構築するためのもの、と読み取った。「理系の視点」では、実験過程や思考過程の際において「系」を限定する点で、世界をリニアに圧縮する文学と親和的だ、と感じた
読了日:02月04日 著者:大滝 瓶太

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