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2022年に読んだ本のまとめ(By 読書メーター)

=もう季節は2023年夏だというのに、ソイレント・グリーンの年=2022年のはなしというのもなんかと思いますが……とはいえ、せっかくなのでUpしてみた。感想書いてないのは、とても250文字程度では足りないからと思った本もある(が、結局ブログでも記事を立ち上げてすらないので……)

2022年の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:5839
ナイス数:71

編めば編むほどわたしはわたしになっていった編めば編むほどわたしはわたしになっていった感想
図書館本。初エッセイとは思えぬ文章の良さ。冒頭に導入の短くインパクトのあるセンテンス。その後、少し息の長めの情景描写・状況描写が続き、また短い自身の感想が続く。この典型的な形式でパラグラフが連なる。音読するとちょうどいい切れ目、テンポになるように構成されてるのではないだろうか。小気味良いリズムがある。 たまに少し古風な単語が選ばれている。自然と使われているので、それがまた作者の少し風変わりな感じが出ているように思う。本職の編み物やニットの本のほうは今後も読まないと思うが、他の評論や小説なら読んでみたい。
読了日:12月18日 著者:三國 万里子
cocoon(秋田文庫74-1)cocoon(秋田文庫74-1)感想
Kindle Unlimitedと図書館本で読了。これだけ悲惨な話をなんとか読めるレベルまでマンガに落とし込んでいるなと思う。だからと言って「軽い」ことは全くなく、あの戦争の生臭い息遣いは感じられ、正直、気持ちが落ち込んでる時には読めないなとも思う。女の子が持つ想像上の繭のなか、男たちのカゲボウシーーそれはなんとなくギルマンの『herland』(『フェミニジア』)を踏まえている気がする。
読了日:10月25日 著者:今日マチ子
NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇 (NHK出版学びのきほん)NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇 (NHK出版学びのきほん)感想
10年程前の著者の新書『わかりあえないことから』をベースに、時事ネタを更新して書き直された入門書、といった印象。氏の日本人・日本語論を展開。問題点を整理した上で「演劇こそがその問題解決に適している」理由がまとめられている。 本では「対話」と「共感」の必要性が述べられているが、同じ「学びのきほん」シリーズの『はみだしの人類学』(松本圭一郎 著)では、これからは「共感」よりも「共鳴」が重要ではないかと結論づけている。同じ「本当の私は存在しない」という点から出発してそれぞれの道を通り、違う結論になってて面白い。
読了日:10月23日 著者:平田 オリザ
ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う (集英社新書)ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う (集英社新書)感想
タイトルの通り、「大学入試改革」「学習指導要領」の改正をフックに東大文学部教授陣がコミュニケーションの難しさと、ことばの奥深さをそれぞれの視点で語った本。 東大に行ったことはないけれど、放送大学の講義でお世話になっている方も多く、親しみやすかった。 「世界は分けてもわからない」ではないけれど、言葉を文脈から切り離して意味を問うことに意味はなく、「読解力」とやらを短い時間内のテストで問おうとする行為自体、ナンセンスなのだが、今は見過ごされがちだということだろう(同社から最近『ファスト教養』という新書も出た)
読了日:10月10日 著者:阿部 公彦,沼野 充義,納富 信留,大西 克也,安藤 宏,東京大学文学部広報委員会
北欧こじらせ日記北欧こじらせ日記
読了日:10月05日 著者:週末北欧部chika
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)感想
現代に必要な「コミュニケーション能力」とは『他者とは「わかりあえない」から始め、個々人から合意を形成し、アウトプットを引き出す能力』である。それにはまず、私たち自身が使っている言葉の無自覚な前提(コンテクスト)を意識できるようになり、ズレ・違いを認識した上で「対話」をすすめなければならないだろう。その訓練に演劇的手法は役に立つ――といった内容。 本書最後の「本当の自分なんて存在しない」「主体的に社会的役割を演じよう」「社会のダブルバインドを認識し、向き合うことから(しんどいけど)始めよう」←印象に残った。
読了日:10月04日 著者:平田 オリザ
NHK出版 学びのきほん はみだしの人類学: ともに生きる方法 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)NHK出版 学びのきほん はみだしの人類学: ともに生きる方法 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)感想
「他者学」の入門書とでもいうべきか――本書は他者との二種類の「つながり」にフォーカスし論を進めている。そのひとつは違いに着目する「線」的アプローチ。もうひとつは関わりのなかでお互いが変化するような「曲線」的というかアメーバ的アプローチである。ネットワークで世界が繋がったことにより自と他を区別するつながりが強固になる現代、境界面が溶ける、つまり「はみだす」ような自己の在り方も大事なのではと主張している。巻末のブックガイドも面白い。『オリエンタリズム』『想像の共同体』『ラインズ』、クレーバーも読破したいが……
読了日:09月25日 著者:松村 圭一郎
「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録 (集英社新書)「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録 (集英社新書)感想
この本で主張されていることはシンプルだと思う。「自己を崇高で唯一の存在たらしめるために「他者」が発明された」 そのことをアフリカンアメリカンというアメリカ内他者のプレゼンスを通して書かれている。しかし、核は掴んでるはずなのに、論じられていることが理解できない。とても不思議な体験だった。長ーい解説が付いているのは納得である。再読の必要があるだろう。 最終章「よそ者の故郷」は概ね分かる。それも『ぼくらの戦争なんだぜ』で出てきた「満州生まれの日本人作家」のことを思い出し、それに対照することができたからだ。
読了日:09月21日 著者:トニ・モリスン
海をあげる (単行本)海をあげる (単行本)感想
冒頭からプライベートな重たいエピソード(「美味しいごはん」)を起点とする本書は、著者自身の日常生活や取材、インタビューを通して、沖縄と若者たちのままならない現状と現実を、柔らかく描き出している。 軸となっているのは沖縄で生きてきた「祖母→母→著者→娘」と続く家族的な「母なるの連なり」。連綿と当たり前のように続いてきた「母なる海」(辺野古の海)がいま、赤土に、または黒に染まりつつある――私たちはそれを良しとするのか。そう優しく切実に問うてくる。 託された海にどういう眼差しを向けるのか、私たち問われている。
読了日:09月19日 著者:上間 陽子
「利他」とは何か (集英社新書)「利他」とは何か (集英社新書)
読了日:09月17日 著者:伊藤 亜紗,中島 岳志,若松 英輔,國分 功一郎,磯崎 憲一郎
うしろめたさの人類学うしろめたさの人類学感想
図書館本。本書は、日本とエチオピアとの往来を通して著者が感じた「違和感」を出発点に、「わたし」と「あなた」・社会・国家・市場・世界との繋がりを分析し、わたし/個人が強固に分断されているように見える世界に干渉する術を考察する。タイトルにある「うしろめたさ」は、この自責の念から生じる感情が気づかぬうちに縛られている市場=交換のルールをずらす起点となるのでは、との主張からきている。構築人類学入門として面白かった。章間にコラム的に挟まれるエチオピア滞在メモも面白いのだが、リズムが断ち切られて読みづらい気もする。
読了日:09月11日 著者:松村圭一郎
水中の哲学者たち水中の哲学者たち感想
哲学書ではなく、詩集のようなエッセイ集だった。 「哲学」という普遍性を追求する学問をタイトルに冠しながら、詩やエッセイのような私的、個別的な要素で文章を編み込むという、ある種アクロバティックなやり方で本書は成っている。最初肩透かしを食らったが、これはこれで面白い。 哲学的考察が感覚的で情感的に展開していく不思議な叙述。コミュニケーションへの絶望と希望の岸辺を行ったり来たりしつつ――「哲学対話」の参加者たちのように思考の海に沈んでいく感覚が追体験ができるような装置になっているのかもしれない。
読了日:08月24日 著者:永井玲衣
教室の片隅で青春がはじまる (ビームコミックス)教室の片隅で青春がはじまる (ビームコミックス)感想
「他者は否応なく存在し、否応なく他者を求めざるを得ず、その関係のなかにしか私は存在せず、特別なものでもなんでもない」ことを受け入れる少女たちの物語。 最初主人公の性格に閉口したが、ポップな絵柄に騙されて読み進めれば、実はすごい奴なのではないか――そんな錯覚をさせる仕掛けがあった。
読了日:08月24日 著者:谷口 菜津子
現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全: 脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全: 脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!感想
図書館本。特に目新しい情報はなかった。ある程度社会人経験がありネットの海を泳いだことのある者ならば、メディアやネット、SNSとの「うまくやっていく方法」はそれぞれ確立していると思う。 しかし本文中にもあったが、「本」として体系化していることに意味があるのだろう。 kindleを熱く推しているので、その関連では使える情報がいろいろあった。子どものためには良書はあえて本棚に置いておきたいと思うが、もっと電子書籍という選択肢を選択してもいいかなと思えた。
読了日:08月23日 著者:佐々木 俊尚
散華散華感想
「散華」と「玉砕」という言葉と、若くして亡くなった二人の青年についての物語。戦時体制下にあって権力側によって乱発された(であろう)この言葉を、市井の若者にあてつつ書いてる。華のように散るとは、志や才能溢れる兵士が死ぬとはこういうことなのだという静かな憤りを感じる小説だった。 高橋源一郎著『ぼくらの戦争なんだぜ』で引用されていたので原典をあたってみた。
読了日:08月16日 著者:太宰治
ぼくらの戦争なんだぜ (朝日新書)ぼくらの戦争なんだぜ (朝日新書)感想
8月15日に間に合うように読み切った。500頁弱という新書らしからぬ分量ながら、引用が多いためかそこまでの長さは感じなかった。 しかし結局のところ『野戦詩集』を紹介したかったのではないかと思う。その詩の内容は素晴らしく、実際貴重な物らしいので、ごく一部ではあろうがその引用部だけでも読む価値はあると思う。 「ぼくら」ひとりひとりの『ちいさな声』に耳を聞くために、「彼ら」の大きな声や、社会性を持たざるを得ない「見る/見られる」の関係を超えたところにある「ことば」に耳を傾けようと、著者は言いたいのだと思った。
読了日:08月15日 著者:高橋源一郎
人間にとって貧困とは何か (放送大学教材)人間にとって貧困とは何か (放送大学教材)
読了日:07月23日 著者:西澤 晃彦
葬送のフリーレン (8) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン (8) (少年サンデーコミックス)
読了日:07月01日 著者: 
君は放課後インソムニア (9) (ビッグコミックス)君は放課後インソムニア (9) (ビッグコミックス)
読了日:06月14日 著者:オジロ マコト
私の息子が異世界転生したっぽい フルver. (1) (ビッグコミックス)私の息子が異世界転生したっぽい フルver. (1) (ビッグコミックス)
読了日:06月11日 著者:シバタヒカリ
きみのご冥福なんていのらない 3 (3) (少年チャンピオンコミックス)きみのご冥福なんていのらない 3 (3) (少年チャンピオンコミックス)
読了日:05月17日 著者:松尾あき
現代社会はどこに向かうか――高原の見晴らしを切り開くこと (岩波新書)現代社会はどこに向かうか――高原の見晴らしを切り開くこと (岩波新書)
読了日:04月26日 著者:見田 宗介
姫騎士は蛮族の嫁(3) (KCデラックス)姫騎士は蛮族の嫁(3) (KCデラックス)
読了日:04月21日 著者:コトバ ノリアキ
きみのご冥福なんていのらない 2 (2) (少年チャンピオン・コミックス)きみのご冥福なんていのらない 2 (2) (少年チャンピオン・コミックス)
読了日:04月20日 著者:松尾あき
子どもは判ってくれない (文春文庫)子どもは判ってくれない (文春文庫)
読了日:02月28日 著者:内田 樹
高卒女性の12年: 不安定な労働、ゆるやかなつながり高卒女性の12年: 不安定な労働、ゆるやかなつながり感想
本書はその前半で12年の追跡調査をした4人の女性のインタビューを時系列的に叙述し、後半では4人の出身校で得られた調査結果も複合して、高卒女性たちの労働や生活について論じている。 登場する4人の「主人公」の女性たちの変遷を見ていくと、パートナーに恵まれた一人を含め、厳しい体験を積み重ねており、読むのがつらいときがあったが勉強になった。 彼女たちが友達を連れ立って職場に入るのは彼女たちなりの孤立を回避するためのリスクヘッジであるという見解に思わず膝を打った。
読了日:01月04日 著者:杉田 真衣

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